
1 宇宙から彼らの愛が見えますか
2 手をとればホールケーキのような愛
3 助け合い支え合ってのこの世かな
4 星空の夢見るような二月かな
5 春泥や轍直しの日課かな
6 ぬかるみに靴がはまれば春隣
7 土ゆるみ土の中から春の土
8 早春は土から匂う定めかな
家の近くの崖の上に立ちて
9 眺むれば谷底の雪溶けにけり
10 ぐちゃぐちゃのぐちゃぐちゃの庭冬終る
11 雌鶏が卵産み出す二月かな
12 絵描さん春のコガラのベレー帽
13 喪中です黒ネクタイの四十雀

14 朧月青に点打つ黄色かな
15 二月二十七日、国会中継をラジオで聞いて
答弁が俗気に満ちて嫌味なり
16 我が辞書にディールほど嫌な言葉もなかりけり
ディール好きディールマニアの春となる
17 母の横に看病で泊まり込んで
咳込んで咳に埋もれし二月かな
ここで、我の小さな決意表明のようなもの
俳句とは、名誉を求めぬものなり、
俳句とは、佳句を求めぬものなり、
俳句とは、入選を求めぬものなり、
俳句とは、この上なき真面目なものなり、
俳句とは、彼の人の気性ゆえのものなり、
ゆえに俳句とは、ある程度までは生まれつきのものなりし。
*1、2、3、15は無季俳句です。
*13の四十雀は、当地では通年見られますが、夏の季語です。
*森の中の泥濘は例年ですと3月末から始まりますが、このところの異常な暖かさで、今年は例外的にひと月以上早まっています。
2026年2月28日
和田 健