The Creatures on Earth!


みんな、1才の誕生日おめでとう。
イチ、ヨキ、ちい、大将、そして福・・・・。
みんなで体を寄せ合ってまだ小さかったのに真冬の厳しい寒さ、一番寒い時でマイナス18℃くらいになるのによく乗り越えたね。みんなで誕生日を迎えられなかったけれど、いつもたくさんのインスピレーションを与えてくれてありがとう!
卵だって2020年2月7日の初産から昨日8月7日までのちょうど半年間で695個も産んでくれました。お母さんはスーパーで卵を全く買わなくなりました。養鶏の世界には鶏同士の突っつきを防止するために生まれてすぐに雛の嘴を切る断嘴(だんし)という恐ろしい儀式があるけれど、お父さんはそれが嫌で孵卵場の方に頼んで特別に断嘴をしないでみんなは我家に来たんだよね、でも誰もいじめたりしないで、みんなで仲よく力を合わせて一年間過ごしてきて本当にえらいね。今はトコの具合が少し悪いからみんなでよく注意して見守ってあげてね。福がいなくなって女の子ばかりで心細いだろうけれど、特に大空を舞うノスリが襲ってきた時なんか、あいつは気は優しくて力持ちでいい男だったからなあ、いつも体をはって守ってくれていたからなあ。
お父さんの新しい作品 “Untitled ーfrom the series F Paintingsー” を待っていてください。年内には必ず仕上げるから。


Cher les amis,
Bon anniversaire, tous!
Ichi, Yoki, Chii, Taishô, et Fuku…….
Vous avez un an aujourd’hui!
Vous m’avez beaucoup donné l’inspiration pour mon travail.
Merci, les enfants!


Day was departing, and the dark air was
taking the creatures on earth from their la-
bors;*¹

例えば自然の中で猫を飼ったことのない人には、
猫が朝の敷地=縄張り内の見回りから始めて一日中どれだけ労働しているかがわからない。
例えば庭の片隅でもいい、一度でも身近に鶏を飼ったことのない人には、
鶏が夜明けとともに日が暮れるまで働き詰めで一日中どれだけ労役しているかがわからない。
それがわからなくて詩人だとか芸術家だとかはたして言えるのだろうか。
でもそんなことを知らなくても生きていくことに別に支障はないから、
現代では胸をはって立派な社会人だと声高らかに宣言することはできる。

*¹ DANTE ALIGHIERI, The Divine Comedy, CHARLES S. SINGLETON, Inferno CANTO II, line 1-3
この美しい3行の詩の肝は the creatures にあると思います。ダンテのイタリア語の原文では li animai となっていて、僕はイタリア語の古語や地方語のことがよくわからないので、これが何の複数形を指しているのかがわからない。それぞれ山川訳では「生物」、平川訳では「人や動物」となっています。それらと照らし合わせて考えると creatures と英訳した訳者の力量や気迫には凄まじいものを感じる。anima (女性形で li=gli との整合性がない) や animo (男性系だが複数形 animai との整合性がない) からの類推で、もしダンテが地上の「魂」はすべて労働すると考えていたとしたら、ダンテにとって猫や鶏が労役するのは子どもの頃からむしろ当たり前の光景であり、一日の終わりに地上のすべての「霊魂」がその労苦から解放されると実感していたとしたら、大詩人の声はあなたを現代の立派な社会人から必ずや救い出してはくれないだろうか。


2020年10月で丸12年になる当サイト始まって以来のクイズです。
母親に抱かれている後の偉大な芸術家は誰でしょう?
写真をクリックしていただくと答えがわかります。
「幼少期に鶏を見つめ続けたことと生育後の彼の分裂症的な絵画との関連性についての一考察」という論文があれば今すぐにでも飛びついて読むのですが、残念ながら現在のところ僕には見つけられていません。
「和田さん、そんなのじゃ論文のテーマにもなりませんよ」
「わからないよ、教授が天才であれば、君、今すぐにでも始めなさい」とかね。
しかし、素晴らしい写真だな。お母さんが左手でまさぐるポケットには乾燥トウモロコシの粒、右腕一本で軽々と息子を抱き抱える母親の大きな愛、それに安心してすがる子どもの絶対的な愛、母親の肩越しに幼心に動物の中に見た真実の愛は彼の終生を通して変わることがなかった、やがて訪れるアルコール依存症、破滅へとひた走る彼の生涯の不吉さの前兆が、ものの見事なまでにこの一枚の写真に凝縮されているように思います。下降。完璧なまでの美しさ。
ところで疑問、一体誰がこの写真を撮ったのだろう。庭先のスナップ写真をわざわざプロの写真家を呼んで撮らせたとは思えないので、要するにこの天才的な写真を撮ったのは家族の誰なのだろう?これだと本格的なクイズになるな。


最後に一句、
國士氏*²の 山羊は彼方へ 去りにけり

*² 岸田國士氏
くにおしの やぎはかなたへ さりにけり

2020年8月8日
和田 健

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