第6回俳句『宇宙から彼らの愛が見えますか』などこの季節の16句

1 宇宙から彼らの愛が見えますか

2 手をとればホールケーキのような愛

3 助け合い支え合ってのこの世かな

4 春浅しわだち直しの日課かな

5 ぬかるみに靴が埋まれば春隣

6 土ゆるみ土の中から春の土

7 早春は土から匂う定めかな

8 ながめれば谷底の雪溶けにけり

9 ぐちゃぐちゃのぐちゃぐちゃの庭冬終る

10 雌鶏が卵産み出す二月かな

11 絵描さん春のコガラのベレー帽

12 喪中さん黒ネクタイの四十雀

13 朧月青に点打つ黄色かな

14 二月二十七日、国会中継をラジオで聞いて
  答弁が俗気に満ちて嫌味なり

15 我が辞書にディールほど嫌な言葉もなかりけり 
  ディール好きディールマニアの春となる

16 母の横に看病で泊まり込んで翌朝二人ともども
  咳に起き咳に疲れた咳の朝

ここで、我の小さな決意表明のようなもの
俳句とは、名誉を求めぬものなり、
俳句とは、佳句を求めぬものなり、
俳句とは、入選を求めぬものなり、
俳句とは、この上なき真面目なものなり、
俳句とは、彼の人の気性ゆえのものなり、
ゆえに俳句とは、ある程度までは生まれつきのものなりし。

*1、2、3、14は無季俳句です。
*12の四十雀は夏の季語です。
*森の中の泥濘は例年ですと3月末から始まりますが、このところの異常な暖かさで、今年は例外的にひと月以上早まっています。

2026年2月28日
和田 健

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