Archive for 画家

Today’s Worst Painting No.4

Posted in Essay 2012-2020 with tags , , , , , on 14 August 2020 by kenwada

2020年8月14日、Each Painting 18、Total Painting 72。ダメ、没。
突然「平」の字が出てきた。コロナ禍の時代なのでそれもよいかもしれない。
白でチマチマ塗り上げていくことはできるのだけれど、ここは一度 View だな。
どのタイミングで Judge するのかについては、GERHARD RICHTER の “PAINTING” という2012年にドイツで製作された DVD を何度も繰り返し観て研究しました。
つまり彼の絵画は、Plan→Paint→View→Judge→Repeat と進んでいくのですが、この中で一番難しい移行(→)を求められる View から Judge へ具体的にどのくらいの日数をかけて判断するのかについて体感しながら学ぶことができます。
当たり前ですが、現役の世界最高峰の芸術家から教わることはたくさんあります。
インタビューはドイツ語ですが英語の字幕がついています。
彼が芸術家になる前に医者になろうとしたり、歯科技工士 (dental technician) の仕事に就いたり、いろいろ上手くいかなかった話も出てきます。
今日は少し先が見えてきた Painting が一枚ありましたが、この連載はワーストなので。
没の連鎖の中で自分にこれまで観えなかった形や色が出てきた時、キャンバスに自然に食い入るように引きずり込まれてきた時が待ったをかけるタイミングです。つまりどの段階で終わりにするのかについて現時点で僕がたどり着いた結論は、「この絵画を残しておきたいかどうか」です。キーワードは「保存」です。自分に「これ保存かけるのか、どうなんだ、ええ?」とよく自問します。意外にシンプルな境地にたどり着きました。でもそれでいいんじゃないかと思う、あくまで今の時点の僕の考えですけれど。いいんじゃないかと思う、というのはつまりその考え自体も破壊してしまえばいいからです。つまり実は何も関係ないんじゃないかということです。
それでは、また。

Today’s Worst Painting No.3

Posted in Essay 2012-2020 with tags , , , , , on 13 August 2020 by kenwada

2020年8月13日、Each Painting 17、Total Painting 68。
ひょんなことからバランスを崩すタイミングが突然とれ始めた。
これだから Painting は面白くてやめられない、絵画はとにかくバランスを切り崩す/切り裂くことが大事、切り崩す/切り裂くというのは、人間は放っておくと自然にバランスをとろうとするから、それをはずす。
小説家だとここまで偶然の要素を取り込めないのではないか、やはり言葉を一文字一文字起こしていく仕事だから、専門外でよくわかりませんけれど。
でもジェイムズ・ジョイスの「フィネガンズ・ウェイク」のあのバババダ・・・はよかったな、あの部分の文章原文では、
bababadalgharaghtakamminarronnkonnbronntonner-
ronntuonnthunntrovarrhounawnskawntoohoohoordenenthur-
nuk! *¹
となっています。あそこまでバランスを壊すことを1939年にすでにやっていたということがすごい!マルカム・ラウリーの「火山の下」の中にもジョイスの明らかな影響がみられます。バランスなんか糞でも食らえ、という感じだな。
今、条件反射的にガルシア=マルケスの「大佐に手紙は来ない」のラストを思い出しました(laugh)。
やっぱり、バランスのとれた絵画、バランスのとれた人間=現代の中高年の立派な社会人なんか観ていても話していても面白くも何ともない、それを切り崩してくれるのは、またまた話が同じところに戻ってしまうけれど、若者なんだと思う、若者しかいないんだと思う。
さあ午後はダンテの「地獄編」を続けよう。ところでフランチェスカのくだりなんだけれど、あそこを読んで日本人が即座に反応するのは難しいのではないか。あそこは欧米人は劇的に感動するところなんだろうな。それとも僕の一般教養が足りないせいだろうか。ああ、でもこれを書いていてその攻略法を見つけました。
なるほどな、その手があったか、そのアイデアで一歩一歩進めてみよう。
それでは、また。

*¹ JAMES JOYCE, Finnegans Wake, Faber and Faber, p3

Today’s Worst Painting No.2

Posted in Essay 2012-2020 with tags , , , , , on 12 August 2020 by kenwada

2020年8月12日、Each Painting 16、Total Painting 64。ダメ、没。

Today’s Worst Painting No.1

Posted in Essay 2012-2020 with tags , , , , , on 11 August 2020 by kenwada

2020年8月11日、Each Painting 15、F30号を4枚同時に制作しているので、そういう意味では Total Painting 60。ダメ、没。attraper=catch できない。
今日からその日のワースト・ペインティングを順次掲載していったらどうだろうか?その没落と下降の連載の展開の中にある種の真実が嗅ぎ出されないだろうか?
この後午後から、2016年12月以来のダンテ「神曲」の再読、今回は平川訳に加えて山川訳、SINGLETON の英訳も合わせて読み進める。
それが終わったらと言っても何ヶ月かかかるけれども、いよいよ T.S.Eliot の MURDER IN THE CATHEDRAL に入る、すでにテキストがイギリスの本屋から届いている、そもそもトマス・ベケット大司教の予習をしておこうと思って、というのはある程度予習しておかないと歯が立たない感じがしたから、それで1951年製作の同名の映画を観たらあまりにも暗くて、これをこの真夏の8月にやるのかと思ったら気が滅入って、それでダンテを始めたのでした。
何で毎日そんなことをしているのかと言うと、主な理由は二つあって、一つは自分の絵画のインスピレーションを少しでも深めかつその幅も広げたいため、もう一つはフランスに丸7年間住んで痛感したことだけれども、ヨーロッパ人はそのくらいのことは一般教養としてごく普通にクリアーしてくるため、やっておかないと全く太刀打ちできないから、もちろん彼らも人によりますが。
そんな訳で人はみんなそれぞれ戦っています。若い人には現代の中高年の立派な社会人なんかにとらわれないで、とらわれないでというのは、崇めたり、モデルケースとしたり、尊敬したりなんかしないで、あんなふうになりたいだなんて思わないで、是非創意工夫を凝らして自由にのびのびと創造性豊かな人生を築き上げて欲しいなと思います。ハングリー精神、がめつさが他国の若者に比べて少ないのが致命的な大きな欠点だけれども、今の日本は若者の方が人柄がいいと思う。
いつの時代も世の中は若者がつくるものだと思う。
若者が萎縮せずに存分に活躍できる社会であって欲しいなと切実に思う。
若者が真に崇めるべき人物は、実は同年齢の、具体的には10代、20代の他国の若者の中に存在しているのであって、天才が今世界の若者の中にたくさん生まれているという事実を SNS を使って情報を集めて欲しいと思う。例えばスウェーデンの17才の女の子が訴えていることは何なのか、パキスタン出身の23才の女性が考えていることは何なのか、それらのことをついうっかり見過ごして、今日は何を食ったとかそんな投稿ばかりしていると、若者がやがて中高年になった時に(必ずなる)、その姿は現代の中高年の立派な社会人と残念ながらほぼ似たり寄ったりのものになると思う。
それでは、また。

2020年8月11日
和田 健

The Creatures on Earth!

Posted in Essay 2012-2020 with tags , , , , , on 8 August 2020 by kenwada


みんな、1才の誕生日おめでとう。
イチ、ヨキ、ちい、大将、そして福・・・・。
みんなで体を寄せ合ってまだ小さかったのに真冬の厳しい寒さ、一番寒い時でマイナス18℃くらいになるのによく乗り越えたね。みんなで誕生日を迎えられなかったけれど、いつもたくさんのインスピレーションを与えてくれてありがとう!
卵だって2020年2月7日の初産から昨日8月7日までのちょうど半年間で695個も産んでくれました。お母さんはスーパーで卵を全く買わなくなりました。養鶏の世界には鶏同士の突っつきを防止するために生まれてすぐに雛の嘴を切る断嘴(だんし)という恐ろしい儀式があるけれど、お父さんはそれが嫌で孵卵場の方に頼んで特別に断嘴をしないでみんなは我家に来たんだよね、でも誰もいじめたりしないで、みんなで仲よく力を合わせて一年間過ごしてきて本当にえらいね。今はトコの具合が少し悪いからみんなでよく注意して見守ってあげてね。福がいなくなって女の子ばかりで心細いだろうけれど、特に大空を舞うノスリが襲ってきた時なんか、あいつは気は優しくて力持ちでいい男だったからなあ、いつも体をはって守ってくれていたからなあ。
お父さんの新しい作品 “Untitled ーfrom the series F Paintingsー” を待っていてください。年内には必ず仕上げるから。


Cher les amis,
Bon anniversaire, tous!
Ichi, Yoki, Chii, Taishô, et Fuku…….
Vous avez un an aujourd’hui!
Vous m’avez beaucoup donné l’inspiration pour mon travail.
Merci, les enfants!


Day was departing, and the dark air was
taking the creatures on earth from their la-
bors;*¹

例えば自然の中で猫を飼ったことのない人には、
猫が朝の敷地=縄張り内の見回りから始めて一日中どれだけ労働しているかがわからない。
例えば庭の片隅でもいい、一度でも身近に鶏を飼ったことのない人には、
鶏が夜明けとともに日が暮れるまで働き詰めで一日中どれだけ労役しているかがわからない。
それがわからなくて詩人だとか芸術家だとかはたして言えるのだろうか。
でもそんなことを知らなくても生きていくことに別に支障はないから、
現代では胸をはって立派な社会人だと声高らかに宣言することはできる。

*¹ DANTE ALIGHIERI, The Divine Comedy, CHARLES S. SINGLETON, Inferno CANTO II, line 1-3
この美しい3行の詩の肝は the creatures にあると思います。ダンテのイタリア語の原文では li animai となっていて、僕はイタリア語の古語や地方語のことがよくわからないので、これが何の複数形を指しているのかがわからない。それぞれ山川訳では「生物」、平川訳では「人や動物」となっています。それらと照らし合わせて考えると creatures と英訳した訳者の力量や気迫には凄まじいものを感じる。anima (女性形で li=gli との整合性がない) や animo (男性系だが複数形 animai との整合性がない) からの類推で、もしダンテが地上の「魂」はすべて労働すると考えていたとしたら、ダンテにとって猫や鶏が労役するのは子どもの頃からむしろ当たり前の光景であり、一日の終わりに地上のすべての「霊魂」がその労苦から解放されると実感していたとしたら、大詩人の声はあなたを現代の立派な社会人から必ずや救い出してはくれないだろうか。


2020年10月で丸12年になる当サイト始まって以来のクイズです。
母親に抱かれている後の偉大な芸術家は誰でしょう?
写真をクリックしていただくと答えがわかります。
「幼少期に鶏を見つめ続けたことと生育後の彼の分裂症的な絵画との関連性についての一考察」という論文があれば今すぐにでも飛びついて読むのですが、残念ながら現在のところ僕には見つけられていません。
「和田さん、そんなのじゃ論文のテーマにもなりませんよ」
「わからないよ、教授が天才であれば、君、今すぐにでも始めなさい」とかね。
しかし、素晴らしい写真だな。お母さんが左手でまさぐるポケットには乾燥トウモロコシの粒、右腕一本で軽々と息子を抱き抱える母親の大きな愛、それに安心してすがる子どもの絶対的な愛、母親の肩越しに幼心に動物の中に見た真実の愛は彼の終生を通して変わることがなかった、やがて訪れるアルコール依存症、破滅へとひた走る彼の生涯の不吉さの前兆が、ものの見事なまでにこの一枚の写真に凝縮されているように思います。下降。完璧なまでの美しさ。
ところで疑問、一体誰がこの写真を撮ったのだろう。庭先のスナップ写真をわざわざプロの写真家を呼んで撮らせたとは思えないので、要するにこの天才的な写真を撮ったのは家族の誰なのだろう?これだと本格的なクイズになるな。


最後に一句、
國士氏*²の 山羊は彼方へ 去りにけり

*² 岸田國士氏
くにおしの やぎはかなたへ さりにけり

2020年8月8日
和田 健

Artexpo New York’s Facebook, Instagram and Twitter!

Posted in Exhibitions 2012-2020 with tags , , , , , , , , , , on 27 July 2020 by kenwada
Artexpo New York
7月6日 6:10 ·
🎨: Dear Grid Worker No. 4 by Ken Wada | Agora Gallery
#ArtexpoNewYork #KenWada #AgoraGallery #fineart #artwork #pinkandblack #pink #black #contemporaryart #artist #artgallery #gallery

7月6日に Artexpo New York の Facebook, Instagram, Twitter に僕の作品 “Dear Grid Worker No.4” が掲載されました。僕はSNSを全くやりませんので、先日まで知りませんでした。
Artexpo New York には例年世界中の国から400を超えるギャラリーやアート関連の出版社が参加します。その中の数多くのアーティストを一々紹介していたらとてもやっていけませんので、主催者の公式サイトで作品が紹介されるなんて大変光栄です。2018年の3作品を展示予定ですが、“Dear Grid Worker” の No.1 や No.3 ではなくて No.4 を選んで載せてくるところが個人的には渋いなと思う。ちなみに Agora Gallery がメインにしている作品は No.1 で、僕がメインにしたい作品が No.3 です。3枚並べるとこんな感じになります。
https://www.agora-gallery.com/exhibition/Artexpo_04_22_2021-Artist-Ken_Wada.aspx
これらの作品を描いていたのは2018年のちょうど今ごろの季節で、そこからこの後 “Dear Grid Worker” の No.7 や No.8、さらには今年の “Untitled 2020” の No.13 から No.16 の “Green and White Paintings” が生まれたんだな、と思います。
やっぱり絵画は踊っていないとね、ぶっ飛んでいないとね、
いまさら気取った立派な社会人めいた絵画を観ていても描いていても面白くもなんともない。
Rat’s Feet, Rat’s Feet, Rat’s Feet Paintings!
祭姪文稿、祭姪文稿、祭姪文稿ペインティング!
同時に絵画はエレガントでないとね。
そこからさらに一歩思考を進めて、
Rat’s Feet Dancing!
A Gathering of Sai Tetu Bun Kou! なるものを構想したらどうだろうか。
現在、“Green and White Paintings” の No.17 から No.20 に取り組んでいます。今の手応えから前に進められると思う。
同時に次のシリーズの構想が浮かんできて、おそらく今度は白と斑点系の赤だけになると思います。
でも今までの経験からあんまり次の構想に脳が飛ばない方がいいんだよね、
でもこの際思いっきり飛んで全部ブッつぶれちゃった方がかえってすっきりしていいかもね、
どうせご立派な社会人じゃないんだから。
2020年7月27日
和田 健

Artexpo New York’s Facebook
https://ja-jp.facebook.com/artexponewyork/
Artexpo New York’s Instagram
https://www.instagram.com/artexponewyork/

Untitled 2020 No.16 ーfrom the series Green and White Paintingsー

Posted in Works 2020 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 25 July 2020 by kenwada

無題 2020 No.16
ーシリーズ緑と白のペインティングからー
2020年7月
北軽井沢 作品 No.409
画布にアクリル
91.0×72.7 cm

Untitled 2020 No.16
ーfrom the series Green and White Paintingsー
July 2020
Kitakaruizawa Works No.409
Acrylic on canvas
36.0×29.0 in.

Sans Titre 2020 Nº16
ーde la série Vert et Blanc Peinturesー
juillet 2020
Kitakaruizawa Œuvres N°409
Acrylique sur toile
91.0×72.7 cm

Untitled 2020 No.15 ーfrom the series Green and White Paintingsー

Posted in Works 2020 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 23 July 2020 by kenwada

無題 2020 No.15
ーシリーズ緑と白のペインティングからー
2020年7月
北軽井沢 作品 No.408
画布にアクリル
91.0×72.7 cm

Untitled 2020 No.15
ーfrom the series Green and White Paintingsー
July 2020
Kitakaruizawa Works No.408
Acrylic on canvas
36.0×29.0 in.

Sans Titre 2020 Nº15
ーde la série Vert et Blanc Peinturesー
juillet 2020
Kitakaruizawa Œuvres N°408
Acrylique sur toile
91.0×72.7 cm

Untitled 2020 No.14 ーfrom the series Green and White Paintingsー

Posted in Works 2020 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 21 July 2020 by kenwada

無題 2020 No.14
ーシリーズ緑と白のペインティングからー
2020年7月
北軽井沢 作品 No.407
画布にアクリル
91.0×72.7 cm

Untitled 2020 No.14
ーfrom the series Green and White Paintingsー
July 2020
Kitakaruizawa Works No.407
Acrylic on canvas
36.0×29.0 in.

Sans Titre 2020 Nº14
ーde la série Vert et Blanc Peinturesー
juillet 2020
Kitakaruizawa Œuvres N°407
Acrylique sur toile
91.0×72.7 cm

Untitled 2020 No.13 ーfrom the series Green and White Paintingsー 

Posted in Works 2020 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 18 July 2020 by kenwada

無題 2020 No.13
ーシリーズ緑と白のペインティングからー
2020年7月
北軽井沢 作品 No.406
画布にアクリル
91.0×72.7 cm

Untitled 2020 No.13
ーfrom the series Green and White Paintingsー
July 2020
Kitakaruizawa Works No.406
Acrylic on canvas
36.0×29.0 in.

Sans Titre 2020 Nº13
ーde la série Vert et Blanc Peinturesー
juillet 2020
Kitakaruizawa Œuvres N°406
Acrylique sur toile
91.0×72.7 cm

よし、4枚できたぞ!ここはすぐに次の4枚に取り組もう。リズムが出てきたぞ。
Rat’s Feet, Rat’s Feet, Rat’s Feet Paintings!
2020年7月18日
和田 健