今思うこと、コロナ、オリンピック、ペイントデザイン、読書、展覧会

まず日本のコロナ(の状況)。
結論から言うと、ダメ、アウト。
東京にいるとかえってわからないと思いますが(まあそんなことは、あくまでもないとは思いますが)、地方の森の中にいると人出や人流については、逆に本当によくわかる、伝わってくる。
東京都が緊急事態宣言下のGWに、最寄りの交差点にあふれる県外ナンバーの車や人を見て、日本人のモラル=良心は大きく変化したことを改めて感じました。
昨年の同じく緊急事態宣言下のGWに比べて、確実に車も人も増えました。
小池都知事が、これだけ移動しないでくれと言っても、と言いますか、僕にはほとんど叫んでいるようにさえ聞こえますが、もう何を言っても聞かないという様相を呈してきました。
これと変異株の感染力の強さを考え合わせれば、ある程度の感染爆発は避けられないと思うと、先日僕が友人に送ったメールは残念ながら現実のものとなりました。
今後、僕は47都道府県すべての緊急事態宣言になると思います。
もちろん、そんなことは当たらないに越したことはありませんが。
反面、例えば年をとって決して老い先の長くはない親に会いたくとも我慢して、宣言時の約束事をひたすらきちんと守っている人がいることも是非お伝えしたい。
今怖いのは、インド型のL452RとE484Qで、もう国内に入っていると思う。南アフリカ型のE484Kに比べて、やはりどうしても国内に入りやすいのではないか。
ワクチンは、ファイザーのCEOが先日の会見で触れていたことを、はっきりさせないといけないと思う。すなわち、3回目が必要なのかどうかと、来年以降、年に何回のペースで接種していけばよいのかについて。
今後、国内でもモデルナが始まり、アストラゼネカとJ&Jはしばらく打てない、人間の気持ちとして。

次に、オリンピック。もうこれはIOCやJOCが、早く決めないと、これ以上結論を引っ張ったら、先日の池江璃花子選手に対するSNS問題のように、何よりも誰よりも選手たちが大変なことになる。
もうほとんど開幕二ヶ月前です。一日でも早く決めないと。

次に、自分の本業である絵画。これは、最近日経の電子版で、MLBのトレバー・バウアー選手の「ピッチデザイン」という言葉を目にして非常に興味をもち、ユーチューバーでもある彼のYouTubeを徹底して観て、これを「ペイントデザイン」という形で取り入れられないか、ということを考えています。
つまり画家も、常に血圧や心拍数を測って、常時血液検査をし、制作と栄養(食事)、休養(睡眠)のバランスを考え、筋肉(肉体)と中枢神経を整えていくことで、パフォーマンスが上がっていくのではないかということ。それらをすべてパソコンで管理して欠点を見出していくスタイルの導入。
これは毎日制作している人でしたら、誰もが実感していることなのですが、だんだん体がほぐれてきて、調子が上がってきますので、ITを駆使して、その日のペイントの何ペイント目から何ペイント目にかけて、彼/彼女のピークが来ることを分析して(例えば25ペイント目から30ペイント目にかけてとか)、そこに一番必要な制作箇所をもってくるとか、逆に捨てキャンバスを用意して、そのペイント数までウォーミングアップしてから描き始め、いきなりピークパフォーマンスに合わせてくるとか、相手が打者でないだけ、キャンバスなだけ、やりやすいと言いますか、より対応できる気がする。
もちろん画家はアスリートではないのだけれど、もうこのサイトで何度もふれたように、Painting は運動分野と密接に関係しています、実感として。
そんな馬鹿な、そんなことと絵を描く芸術と、一体何の関係があるんだという人が多ければ多いほど、僕は逆に正しいのではないかと思い、俄然やる気になる。
とりあえず、こうしたらどうだろうか。
画家が制作している過程を動画に撮り、それをペイント毎に分析していく。すなわち、例えば、6ペイント目から7ペイント目にかけて、何故そこまで時間をかけて、次の一手を躊躇したのか、踏み込めなかったのか?
7ペイント目から8ペイント目にかけては、何故今度は逆にまるで慌てふためいたかのように急いだのか?
これからの画家は、午前中制作、午後は自分の動画を観て、制作パフォーマンスを分析、研究。
やはりこれにどこかの大学の研究機関が提携して、専門家が画家の放出する脳波も含めてITを駆使してくれると、だいぶいいデータを集められると思う。
まあ僕の時代には無理でも、将来的には間違いなく、AIを相手にして描くことになると思います。すなわち、次の一手=次の一塗り=ペイントをどうするかについて、これまでのすべての情報を入力したAIと相談しながら、最も効果的な色と形の一手を考えて描くことになると思う。まさしく「ペイントデザイン」だな。
それで、僕がおじいちゃんになった頃は、未来の子どもたちに、「おじいさんの頃は、一人でキャンバスに向かいながら考えて描いていたんですか?それって今思うと原始的ですごい!まるで太古の洞窟壁画みたい。おじいさん、疲れませんでしたか?」なんて言われるのだろうな。
でも実際にそう言われるようになるまで、もうそんなに先の話ではないと思う。
つまり、AIが画家の仕事を奪ってしまうとか、とって替わるとかいうのではなくて、おそらく直感として、AIと共存した、AIと共に歩むより「豊かな絵画」ができるのではないかということです。各々の画家の各々の状況に応じて。

日経の話が出たついでに、毎朝、日経と The New York Times の電子版を読んでから仕事に入るというのが、僕のもうここ何年もの習慣です。例えば、今朝の日経では、ソフトバンクGの孫正義会長兼社長が、昨日の会見で、世界には1000社くらいユニコーン企業があるのに、日本には3社しかないと話されている動画に、The New York Times では、セーシェル共和国が世界で一番ワクチン接種の進んでいる国なのに、今コロナの大波がまたきている理由を分析した記事にとても興味をもちました。まず僕は、世界で一番ワクチン接種が進んでいる国は、これまでイスラエルだと思っていました。ちなみにイスラエルの接種率62.64%に対して、日本は現在2.59%、とても先進国とは言えない。それでもオリンピックについては決めない。

しかし、現在ロサンゼルス・ドジャースに所属するこのバウアーという投手は、すごい魅力の人間だな。観ていて学ぶことがたくさんあります。野球選手もついにここまで進化したかという感じがする。
もうこれからは、日本のプロ野球選手も「ご職業は?」「プロ野球の選手です。」「で?」って言われる時代だな。
「野球選手なのはわかりました。それで、それ以外にはどんなことをされているんですか?」という時代だな。
画家もそうで、「ご職業は?」「画家です。」「で?」
だから、「ええ、画家です。時々、森のきのこの研究家です。」とか。
まあ僕の場合は、「時々、農夫です。養鶏もしています。特に森で生まれた子猫の愛好家です。」とでも答えよう。これなら事実だから。

お終いに、いつも熱中している読書。「カラマゾフの兄弟」の再々読の後、ドストエフスキー本人は一体どのような人間なのかということに興味をもち、それまで第2巻で中断していた「作家の日記」(ちくま学芸文庫)を再開し、第4巻の「おかしな男の夢ー幻想的な物語ー」の今日性に驚くも、相手(ドストエフスキー)が巨人すぎて全体像がつかめず、そこで視点を変えて一計を案じ、配偶者の方から迫ったら、少しはわかるのではないかという僕の戦略は、今回に限ってものの見事に的中し、アンナ夫人の「回想のドストエフスキー」(みすず書房)2巻を非常に楽しく読み終えました。たぶんこの本は、専門家や研究者の間で「作家の日記」と並んで、教科書的な定番かつ第一級の資料になっているのだろうな。メモを取りながら読んだので、感想はいっぱいあるのだけれど、長くなるのですべてカット。ただ一つ、僕も少し年をとったので、若い頃はそんなことはわからなかったけれども、この本はアンナ夫人が夫の死後30年して書かれた本であるということを、仲睦まじく助け合って生きてきた夫婦が死別後に自然とそうなる、配偶者を理想化する観点から少し考慮しないといけない。
次に、トルストイの「復活」(上下巻、新潮文庫)の再読へと進み、まるで個性の違う両巨人を比較対照しながら読むことができて、とても面白かった。
その後、もう一度ドストエフスキーに戻り、「虐げられた人びと」(新潮文庫)を読む。
そして今、ディケンズの「デイヴィッド・コパフィールド」(全五巻、岩波文庫)です。
まだ第二巻ですが、第一巻の10歳のコパフィールド少年の『「ここで最高級(一番上等)のビールは一杯いくらですか」(中略)「じゃあ」お金を差し出してぼくは言った。「たっぷり泡の立った純正超高級ビールを一杯くれませんか」』(p.404)
これぞ、ディケンズ・ワールド全開!最高です!
今まで、ディケンズといえば、まずは何と言っても「大いなる遺産」、そして次に「二都物語」だとばかり思っていましたが。

2021年5月13日
和田 健

追伸:今、ニューヨークの Matthew Marks Gallery で、デ・クーニングのドローイング展が開かれています。
僕の大好きなギャラリーで、チェルシー地区に行くたびに必ず訪れる、ただ入るだけで勉強になるいくつかのギャラリーの一つです。
もちろん、コロナで行けない。
たとえ今後行けるようになっても、脱炭素化の観点から、もう人々は、今までのようには自由な気持ちで、飛行機に好きなだけ思う存分乗れないかもしれないな。
こうした環境問題の分野でも、相当遅れをとっている日本でも、「ああ、先月◯マイルも乗っちゃたよ。」と何だか申し訳なさそうに話し、「お前、いくらなんでもそれはまずいよ、少し考えて乗れよ。」と言われる時代までもうすぐです。
実際に、例えばフランスでは、すでにもうそうした意識が、国民の間で、とても高まっているような印象を受けます。
それはともかくとして、Matthew Marks Gallery が、Online でも同時提供してくれています。
それが並外れて素晴らしい!Online でもここまでできるんだ。ぜひ観てください。more information を一つ一つクリックしながら観ていくのがコツです。
ギャラリーを実際に訪れる際の45分ごとの事前予約のシステムも非常にわかりやすくてよいです。
いい展覧会があったら、すぐに情報を共有し、ただちにみんなで観て知見を深め合うことは、全体のレベルアップのためにとても大切です。
https://matthewmarks.com/online/willem-de-kooning-drawings-2021

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